- 2010年から2019年 メディア掲載・工房の記録
- 2019年7月14日|日露音楽交流 ヴィルトゥオーゾ・アムール弦楽合奏団 来店
- 2018年4月15日|神奈川県藤沢市で講演会
- 2017年11月8日|地域を知る 人を知る 第1回対談
- 2017年5月21日 28日|文化放送 闌の季節 第7回 第8回
- 2017年2月1日|日本弦楽指導者協会 関東支部 K-STAニュースN0.74
- 2017年3月18日|日本テレビ 「ぶらり途中下車の旅」
- 2016年10月9日|西荻春秋「バイオリン製作者&修理 桂敏明」
- 2016年3月20日|杉並クーポンブック「西荻Bonne」
- 2012年11月号|音楽の友 「弦楽器工房探訪」
- 2012年秋 第34号|毎日がちょっと豊かになるタウンペーパー 西荻丼
2010年から2019年 メディア掲載・工房の記録
2019年7月14日|日露音楽交流 ヴィルトゥオーゾ・アムール弦楽合奏団 来店
ハバロフスクから、ヴィルトゥオーゾ・アムール弦楽合奏団の若手演奏家たちが来店。職人として、演奏家の皆さんに大切だと思う楽器のメンテナンスについて、いろいろお話ししました。
2018年4月15日|神奈川県藤沢市で講演会
ニスを塗る前の白いバイオリンと、完成したバイオリンの音の違いなどを話しました。
プレイヤーは谷本潤先生。
2017年11月8日|地域を知る 人を知る 第1回対談
松庵舎で「桂敏明さんに聴く ヴァイオリンの魅力」というタイトルで対談をしました。聴き手は、奥村森氏。バイオリニストの中村勇太さんによる、桂敏明作バイオリンの演奏。
2017年2月1日|日本弦楽指導者協会 関東支部 K-STAニュースN0.74
「保管のススメ」を投稿しました。
2017年3月18日|日本テレビ 「ぶらり途中下車の旅」
石丸謙二郎さんが西荻窪をに途中下車されたときに、ぶらりとお越しになりました。
お父様がバイオリンを弾いていらっしゃって、子供のころのクリスマスの思い出はお父様のバイオリン演奏だそうです。
バイオリンにとても興味を持ってくださって、大変嬉しかったです。
2016年10月9日|西荻春秋「バイオリン製作者&修理 桂敏明」
地域グラフ誌として、西荻の興味ある施設、店、人を取材している西荻春秋。工房を見つけて取材してくださいました。これから長いお付き合いが始まりました。
2016年3月20日|杉並クーポンブック「西荻Bonne」
2016年3月20日、杉並区立桃井原っぱ公園で開催された「西荻ラバーズフェス」に伴い発行された、期間限定クーポンブック「西荻Bonne」に参加しました。(割引特典終了)
西荻にはバイオリン屋があります。バイオリンも売っています!職人の技術が信頼できる、アットホームな工房と言われます。弓の毛替え(vn)\3,780円から。バイオリンセット\54,000円から。バイオリンモチーフのピンバッチ、ペンダントなども、ちょっとだけありますよ。
2012年11月号|音楽の友 「弦楽器工房探訪」
あなたの街の弦楽器屋さん The Guide for violin shop
このコーナーでは、「ヴァイオリンがほしいけれどどこか良い楽器屋さんはないかしら」「そろそろ弦の調整、楽器の修理をお願いしたい」「幅広く弦楽器を取り扱っている楽器屋さんをしりたいなぁ」という方にぴったりな弦楽器屋さんをご紹介します。
(ということで、ベルク・バイオリン工房も紹介されました)
職人の技術と信頼ー ずっと弾いていたい楽器が揃う。 音楽の友 2012年11月号 より
2012年秋 第34号|毎日がちょっと豊かになるタウンペーパー 西荻丼
西荻マイスター2〈ベルク・バイオリン工房〉桂敏明さん
西荻にいらっしゃる職人さんを紹介する西荻マイスター。第2弾はバイオリン職人の桂敏明さんです。
桂さんは長年、西荻でバイオリンやヴィオラ、チェロを製作・調整し、北海道から沖縄、はたまたロシアなど国内外に及ぶお客さんに信頼されています。
― まず、バイオリン製作を始めたきっかけを教えてください。
小学生のころに、バイオリンを習っていて、その音色に感激したのがきっかけですね。バイオリンは、もっとも人間の歌声に近い楽器と言われています。ストラディバリウスのフォームとアーチを観ると、音が見えてきます。
― 実際に修行を始めたのはいつからですか。
21歳の時だから、34年前ですね。文京楽器(文京区の弦楽器専門店)というところに入りました。(公財)日本音楽財団が東日本大震災の復興支援のために昨年約12億円でストラディバリウスを売却しましたね。修行中はそういう名器をたくさん見ました。それが実際に製作するうえで大切なのです。文京楽器には11年いました。
― その後、西荻へいらっしゃったのですか。
そうですね。平成2年に西荻に来ました。最初はいまの工房から道一本向こうのマンションの一室で始めました。当時は工房が西荻、住まいは立川でしたが、しばらくして住まいも西荻に移り、ここに工房も移しました。
― バイオリンの製作について教えてください。
バイオリンは、表の板がマツで、裏がカエデを使います。木目が左右対称になるように型を取って、ノミで荒削りをします。これがかなり堅いので骨の折れる作業ですが、その堅さを感じながら削っていくことが大事です。
荒削りが終わると、バイオリンの独特のふくらみ、アーチを繊細に削っていきます。このアーチで音が決まってきます。
そのあとは、表面を仕上げて象眼を施します。象眼を入れると、見栄えがよくなるだけでなく、衝撃に強くなります。
そして白木の状態で組み立て、魂柱をたてます。魂柱は、表板と裏板をつなぐ細い棒です。ここも、このバイオリンがいい音を奏で続けることができるかどうかが決まるところです。それから、ここでようやく弦を張り、音を確認します。
― それまでの作業期間はどのくらいですか。
だいたいここまでで2週間くらいかな。その後は色を塗ったりして、乾くのに約2ヵ月かかりますね。バイオリンは実際に音がなじんでくるまで5年はかかります。20~30年とだんだんといい音がしてくるようになって、200年経つと最高の音が出るようになるといわれています。だから、私が作った楽器が200年後に最高の音を奏でるとき、私は聴くことができないのです(笑)。
どういうふうに年を重ねてきたのか、その質が音になってくる。製作者としての個性が出てくるのです。
― バイオリンを収納している戸棚がとても素敵ですね。こちらは?
西荻の骨董屋「慈光」で購入したものです。慈光が好きで、毎日のように行っていますよ。これは、自分でガラスをはめたりしてバイオリン収納用にしました。
― ほかに西荻のどんなところが好きですか。
西荻は空が広くていいですね。高い建物とかあまりなくて明るい。私は熊本県の水前寺出身だから、善福寺公園とか水があるのが嬉しい。「さて」(レストラン)とか「こけし屋」(カフェ・レストラン)、「それいゆ」(喫茶店)や「いしはら」(ラーメン)など、好きなお店もあるしね(笑)。
― 貴重なお話をありがとうございました。
お会いした瞬間から、とても優しい空気をまとった方だなと感じました。インタビューは終始とても心地よく、なんだか夢のような時間でした。バイオリンのような繊細な楽器を作る方は、やはり優しく細やかな感覚を持っていらっしゃるのだなということが伝わってきました。実際にバイオリンにも触らせていただきましたが、音が深い! シーンと響く音色にうっとりしてしまったのでした。
ベルク・バイオリン工房
場所:松庵3-39-3
TEL:03-3334-7179
営業時間:10:00~18:00
定休日:日・月
取材・文:安藤りょうこ
写真:石原聡子
イラスト・レイアウト:ねもとなおこ
*象眼…くぼみに金属などをはめこんで飾る工芸技法。バイオリンの場合は、表板の縁に施される。
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(出典:2012年秋 第34号「西荻丼」より)